「人間と性」教育研究協議会 全国児童養護施設サークル主催
2025秋季全国セミナー
大会テーマ 「子ども達の生活を支える、包括的性教育」
~生活の中の「生」と「性」を考える~
私たち「“人間と性”教育研究協議会 全国児童養護施設サークル」では、「全国秋季セミナー」を開催いたします。
2025年春季セミナーでは多くの方にご参加いただきました。受付も3日余りで埋まる状況でした。各施設、関係機関で性の問題に対しての対応に苦慮されているのではないかと思います。
コロナウイルスにより、日常生活が大きく崩れました。施設では、子どもや職員の感染予防、行事の見直しなど、様々なご苦労があったかと思います。
子ども達の学びと感染予防を考え、オンラインでの授業を多くの学校が取り入れました。ネット環境がより身近になり、大きなメリットがあった半面、ネットを介した様々な問題も多く起こるようになりました。
また、包括的性教育の考え方やネットやメディアでも性について語られる機会が増えてきたことやジェンダーに対する考え方もコロナ禍で大きく変わってきていると実感しています。児童養護施設での性の支援をもう一度考え、子どもたちに少しでも良い支援ができるように、共に学びを深めたいと思います。
また、施設の研修会をはじめとする様々な研修会のコーディネイトも行っています。この機会に多くの方がこのセミナーに参加され、学びの輪に加わっていただけますようご案内申し上げます。
全国秋季セミナー実行委員会
12月4日(木)
時 間 | プログラム 内容紹介 | 会 場 |
12:00〜12:50 | 受付開始 ※501号室で行います 開会挨拶、オリエンテーション |
501室 |
13:30〜15:00 | 理論講座① 『いま改めてカラダを学ぼう!!』 講師:鈴木みゆき氏(全国児童養護施設サークル特別幹事、助産師) 女性の性と心身に寄り添う助産師としての仕事の傍らサークルとともに学び成長してきました。『性』は誰にとっても人生における大きな課題の一つです。しかし性の学習経験の有無は様々。案外私たち大人自身も実は知らないことも多く、非科学的な情報に振り回されていないではないでしょうか?そんな中で最近ようやくTVやインターネット等のメデイアでも月経・妊娠・出産・避妊・中絶・性感染といったキーワードが取り上げられることも増えてきています。子どもたちに聞かれたらなんと答えようか?最新の情報をちゃんと提供してあげられるかな?ピルは避妊目的の薬なのかな?変わる人工妊娠中絶の方法とは?「大人も曖昧なカラダのこと・・・、いま改めてカラダを学ぼう!」ということで、まずは私たちの知識をブラッシュアップしていきましょう! |
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15:10〜16:50 | 理論講演② 『デートDVについて』 講師:上村宏樹氏(全国児童養護施設サークル幹事) 社会的養護のもとにいる子どもたちは、かつての養育環境、特に虐待的な環境の中で、「力による支配」や「偏った愛情表現」をコミュニケーションの一形態として学習してしまっているかもしれません。その結果、自分や相手の「境界線(バウンダリー)」が曖昧になり、暴力を愛情と誤認したり、相手を支配することで関係を維持しようとしたりすることがあります。これが、デートDVで顕著に起こり、加害者・被害者どちらにもなりうる脆弱性の背景にあります。 |
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17:00〜18:30 | 理論講演③ 『セクシャル・デバイス・ネットワーク(sexual device network) ~スマホ・ネットのリスク~』 講師:佐々木玄氏(全国児童養護施設サークル代表) 子どもたちが、容易にネット環境にアクセスできる時代になり大人が思っている以上の情報を子どもたちは持っています。その中には有益な情報もありますが有害な情報も数多く含まれています。情報の取捨選択をどのように子どもたちに教えていくのか?どんな機器がインターネットにつながるか?どんな点に注意して子どもたちに関わっていくのか?スマホや携帯の契約はどのようにするのが良いか?など、事例や実践を一緒に学ぶ講座です。楽しく学びましょう。 |
12月5日(金)
時 間 | プログラム 内容紹介 | 会 場 |
9:30〜16:45 | テーマ別分科会 分科会スタッフ:サークル幹事 ※ 各会場に直接おこしください。 |
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第1分科会 『児童養護施設ではじめる生と性の実践』
(定員55名) 第一分科会は「実践」の分科会です。性の課題を生活の中でどのように支援していくか、チームで取り組む生活支援について講座や実践報告、ワークを通して学びを深めましょう。 |
501号室 | |
第2分科会 『性的虐待・性暴力へのアプローチ』
(定員60名) 性暴力は表面化しにくく、他の性虐待(身体的・心理・ネグレクト)と比較して加害・被害関係が潜在化する側面があります。よって性的虐待の発見やケア、発生予防には他の虐待とは別の知識や視点が必要になります。本分科会では、性的虐待の構造、及びトラウマへのアプローチについて学びを深めましょう。大変重いテーマですが、科学的に学び、ケアに従事する職員の「心」に知識のフィルターを創りましょう。 |
416号室 | |
第3分科会 『思春期の支援を考える』
(定員35名) 児童養護施設では、様々な年齢構成や男女混合のホームやユニットで生活しています。子どもたちは、お互いの課題に刺激を受け合い、時には巻き込まれ、大きな事故に発展することも珍しくありません。また、これまでの中高生のスマホにまつわるSNSや性、人間関係のトラブルだけでなく、学校から学習用タブレットが配布され、支援が複雑かつ広領域に渡り、どのように支援をするべきか苦慮している毎日ではないでしょうか? |
510号室 | |
17:00〜17:30 | 分科会交流会 各分科会での趣旨、内容を全体でシェアします。 |
501号室 |
18:00頃〜 | 情報交換会 ※ 自由参加です
参加者の皆さん、幹事との交流を行います。 |
501号室 |
12月6日(土)
時 間 | プログラム 内容紹介 | 会 場 |
9:15〜 | 会場入室開始 | 501室 |
9:30〜11:30 | 理論講座④ 『「こどものみかた」~生い立ちの整理(大野版)の視点~』 講師:山口修平氏(全国児童養護施設サークル副代表) 家庭の事情で児童養護施設に入所せざるを得なかった子どもたちは、過去の生い立ちが原因で「今」様々な形で生きづらさを感じています。また、子どもたちと関わる大人たちも、その理解しがたい言動に悩むことが少なくありません。本講座では、こうした子どもたちの言動の背景を「トラウマ」や「愛着」の視点から理解し、治療的養育のあり方について共に考えていきます。 |
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11:30〜12:45 | 昼食 | |
12:50〜14:50 | 基調講演 『性問題行動の理解と対応』 講師:藤岡淳子氏(大阪大学名誉教授) 性問題行動は、発達段階や生活背景、トラウマ経験などが複雑に影響して表出します。本講演では、子どもの性問題行動を一面的に捉えるのではなく、心理的・社会的要因を踏まえた包括的理解の重要性を解説します。さらに、現場での具体的な支援の工夫や予防的アプローチについて、最新の研究と実践事例を交えて紹介し、支援者が子どもの安心と成長を支える視点を深めることを目指します。 |
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14:50〜15:00 | 閉会挨拶 ・ 解散 | 501号室 |
※定員は150名です
※同じ施設の方の参加は、3名までです。
※3日間(全日)参加が条件です。また、同じ方が3日間参加してください。
※お申込みにはパスワードが必要です。sei.jidou.circle@gmail.com又はお問合わせページよりお問合わせください。