セミナー案内

「人間と性」教育研究協議会 全国児童養護施設サークル主催

 2024 秋季全国セミナー

大会テーマ 「子ども達の生活を支える、包括的性教育」
~生活の中の「生」と「性」を考える~

 

私たち「“人間と性”教育研究協議会 全国児童養護施設サークル」では、「全国秋季セミナー」を開催いたします。
2024年春季セミナーでは多くの方にご参加いただきました。受付も7日余りで埋まる状況でした。各施設、関係機関で性の問題に対しての対応に苦慮されているのではないかと思います。  
この状況を踏まえ、定員数を少し増やし開催することに致しました。
コロナウイルスにより、日常生活が大きく崩れました。施設では、子どもや職員の感染予防、行事の見直しなど、様々なご苦労があったかと思います。
子ども達の学びと感染予防を考え、オンラインでの授業を多くの学校が取り入れました。ネット環境がより身近になり、大きなメリットがあった半面、ネットを介した様々な問題も多く起こるようになりました。
また、包括的性教育の考え方やネットやメディアでも性について語られる機会が増えてきたことやジェンダーに対する考え方もコロナ禍で大きく変わってきていると実感しています。児童養護施設での性の支援をもう一度考え、子どもたちに少しでも良い支援ができるように、共に学びを深めたいと思います。
また、施設の研修会をはじめとする様々な研修会のコーディネイトも行っています。この機会に多くの方がこのセミナーに参加され、学びの輪に加わっていただけますようご案内申し上げます。

全国秋季セミナー実行委員会

 

12月5日(木)

時  間 プログラム 内容紹介 会  場
12:15〜13:00 受付開始 ※501号室
開会挨拶、オリエンテーション
501号室
13:10〜15:20 理論講演①
『こどもの み・か・た』~生い立ちの整理(大野版)の視点から

講師:山口修平氏(全国児童養護施設サークル副代表 児童養護施設一宮学園 副施設長:千葉)

家庭の事情で児童養護施設に入所せざるを得なかった子どもたちは、過去の生い立ちが原因で「今」様々な形で生きづらさを感じています。また、子どもたちと関わる大人たちも、その理解しがたい言動に悩むことが少なくありません。本講座では、こうした子どもたちの言動の背景を「トラウマ」や「愛着」の視点から理解し、治療的養育のあり方について共に考えていきます。

15:40〜17:50 基調講演①
『いま改めてカラダを学ぼう!』

講師:鈴木みゆき氏(全国児童養護施設サークル特別幹事 助産師)

助産師として働く傍らこのサークルとともに成長してきました。『性』は多くの人間が避けては通れない人生の大きな課題。妊娠・出産・避妊・中絶・性感染症・・・・。
避妊目的と思われがちなピルですが、実は色々効用が広い。また、人工妊娠中絶の方法も昨春からようやく日本に内服法が出てきました。大人も子ども案外知らない自分たちのからだの仕組みや不思議。
まずは私たち自身の知識をブラッシュアップしていきましょう。

17:50~18:00 まとめ
インフォメーション
18:30~20:00 情報交換会  ※ 申し込み制(受付の際にお申し出ください) レセプションホール2・3

 

12月6日(金)

時  間 プログラム 内容紹介 会  場
9:30〜16:45 テーマ別分科会 分科会スタッフ:サークル幹事
※各会場に直接おこしください。
第1分科会 『児童養護施設ではじめる生と性の実践』

(定員50名)

第一分科会は「実践」の分科会です。性の課題を生活の中でどのように支援していくか、チームで取り組む生活支援について講座や実践報告、ワークを通して学びを深めましょう。
「何を伝えるか」ではなく「何が伝わるか」をテーマに挙げ、子どもたちの視点で考える学びの時間としましょう。1日目の理論講座をより具体的に学び、実践について参加者相互に学び会える空間になればと思っています。

416号室
第2分科会 『性的虐待』

(定員40名)

児童養護施設に生活する子どもたちの多くは、年齢不相応な性的刺激に晒されてきた経験を持ちます。また、ネット社会の現代では、たとえ子どもであっても容易に性的情報を入手でき、被害にあう危険が高くなっているように思います。性暴力は表面化しにくく、他の虐待(身体的・心理・ネグレクト)と比較して加害・被害関係が潜在化する側面があります。よって性的虐待の発見やケア、発生予防には他の虐待とは別の知識や視点が必要になります。本分科会では、性的虐待とは何かを学びつつ、現場で子どもたちの抱えさせられた重荷をどのようにアセスメントし、支援に繋げていけるのかについて学びを深めましょう。大変重いテーマですが、皆様の積極的な参加を期待しています。

304号室
第3分科会 『思春期の様々な問題を考える』

(定員40名)

児童養護施設では、入所が長期化して中高生になった子どもや、中高生になって入所してきた子どもが、様々な年齢構成や男女混合のホームやユニットで生活しています。子どもたちは、お互いの課題に刺激を受け合い、時には巻き込まれ、大きな事故に発展することも珍しくありません。また、これまでの中高生の携帯電話にまつわるSNSや性、人間関係のトラブルだけでなく、昨今では学校から学習用のタブレットが配布されたことにより、施設ではさらに支援が複雑かつ広領域に渡り、どのように支援をするべきか、どのように解決を図るべきか苦慮していると思います。
この分科会では、そのような中高生の様々な問題を取り上げ、子どもの問題の解決や支援の糸口を一緒に考えたいと思っています。

513号室
第4分科会 「組織運営―管理職・リーダー職・性教育対象」

(定員30名)

児童福祉施設の重要な役割は、子どもたちに安全で安心できる生活環境を提供することです。そのためには、暴力の連鎖を断ち切る取り組みが欠かせません。この課題は、職員一人ひとりの援助技術だけでなく、組織的な対応が求められます。つまり、組織全体で「非暴力」の文化を創り上げていくことが必要です。各施設の取り組みをサポートするためにも、本講座がその一助となることを目指しています。

307号室

 

12月7日(土)

時  間 プログラム 内容紹介 会  場
9:10 受付開始 ※501号室で行います 501号室
9:30〜11:30 基調講演①
「大切な私は私だけのもの」〜カラダの権利への取り組み・私の選択肢〜

講師:相樂 育美 氏 (まんまる御母屋・助産院)

**SRHR(性と生殖に関する健康と権利)**は、全ての人が生まれながらに持つ基本的人権の一つです。WHOや国連をはじめとする国際機関でも提唱されていますが、児童福祉分野ではまだ十分に認識されていない現状があります。この講演では、まずSRHRの基本的な概念を知ることから始めましょう。
特に児童福祉施設において、様々な事情で権利が保障されなかった子どもたちに対して、この権利を保障することは非常に重要です。こどもたちが性について学ぶ機会を得るため、包括的性教育の重要性に触れながら、性を科学的に学ぶ必要性について具体的にお話しいただきます。SRHRの保障が、すべての子どもたちにとって必須であることを理解し、その実践に向けた一歩を踏み出す機会となることを目指しています。

11:30〜12:50 昼 食
13:00~15:00 理論講座①
『セクシャル・デバイス・ネットワーク(sexual device network)~スマホ・ネットのリスク~』

講師:佐々木玄氏(全国児童養護施設サークル代表 エス・オー・エスこどもの村:東京)

子どもたちが、容易にネット環境にアクセスできる時代になり大人が思っている以上の情報を子どもたちは持っています。その中には有益な情報もありますが有害な情報も数多く含まれています。情報の取捨選択をどのように子どもたちに教えていくのか?どんな機器がインターネットにつながるか?どんな点に注意して子どもたちに関わっていくのか?スマホや携帯の契約はどのようにするのが良いか?など、事例や実践を一緒に学ぶ講座です。楽しく学びましょう。

15:00~15:45 閉会挨拶・解散

 
※同じ施設の方の参加は、3名までです。
※3日間(全日)参加が条件です。また、同じ方が3日間参加してください。

※お申込みにはパスワードが必要です。sei.jidou.circle@gmail.comはお問合わせページよりお問合わせください。